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シルクの種類と現状

天然素材は多くの魅力があります。特にシルクは肌への摩擦が少なく素晴らしい特性を持ったおすすめの素材。ここでは、シルクの種類についてみていこうと思います。「家蚕シルク」と「野蚕シルク」って聞いたことありますか?
シルク絹紡糸
↑ツルッとした光沢あるシルク糸「絹紡糸(けんぼうし)」は、
絹綿二層靴下や素材と色ショート丈の内側で使っています。

[家蚕と野蚕のシルクについて]
シルクは蚕の繭からとる糸ですが、蚕の種類によって吐き出す糸の太さには違いがあります。家蚕は屋内で人工的に飼われた蚕であり、その蚕からとれた糸を家蚕(かさん)絹といいます。人が育てる蚕は口の形を一定にするために桑の葉だけを与えます。そんな家蚕からとれた糸には「生糸」「絹紡糸」「絹紡紬糸」があり、 グリュックントグーテでは、靴下の種類によって使い分けています。秋冬におすすめの「絹に綿を重ねた靴下」の内側の絹は、絹紡糸を使用しており、なめらかな質感と上品な光沢、そして履いたときに足にピッタリと吸い付くようなフィット性が魅力です。

一方、野蚕(やさん)は人が育てた蚕ではなく野生の蚕を指し、様々な葉をエサとしています。そしてその蚕からとった糸を野蚕絹といいます。独特な光沢、太くて伸度があり、繊維質としても丈夫で肌触りは麻と似ています。
このように一概にシルクと言っても、種類によって肌ざわりや特徴が異なるのです。

[シルク生産の現状]
シルクの生産地ってどこかご存知ですか?
かつては日本で盛んに行われていた養蚕業も、化学繊維の普及で衰退傾向にあり、今や中国に頼らざるを得なくなっています。中国は世界でも最大の生糸の産出地で、約8割も占めているのです。しかし、都市開発により繭の生産に必要な桑の木の伐採、加えて干ばつや豪雨、台風といった自然災害、さらには国の発展とともに増える労働者の養蚕離れなどによって、絹の生産量は年々低下してきています。ただ先進国においては需要がとても高いため、需要と供給の関係で、現在、シルクの価格は高騰を続けている、そんな状態なのです。

毎日履いていただきたいおすすめの素材「シルク」。シルクの高騰で原価が上昇すると、現在の価格を維持できなくなるのではと不安を感じています。ただ、シルクは他に代え難い素材。グリュックントグーテは引き続き、自信をもっておすすめできるシルク素材の靴下を作っていきたいと思っています。